山田の休み時間

思うままに好きなことや考えを書き綴ったブログです。

【自転車旅エピソード】福井県のりゅうさん(仮名)と出会った話

いっぱい好きなことがあるので何から書こうか迷いましたが、僕の一番大きな部分を占めるのが自転車旅なので、自転車旅で初めての印象深い出会いについて書きます。

 

18歳の夏に新潟まで走りました。

その時、1日目で200kmほど漕いで風呂に入りました。すごく疲れていたことと、露天風呂から見える水平線と海に浮かぶ漁火(イカ漁に用いる漁船の明かり)が綺麗だったこともあり「今まで入った温泉の中で一番の温泉や」と一緒に旅していた友達と話していました。それを聞いたおじいさん(りゅうさん)が「どこから来たの?」と話しかけてきて、大阪から自転車で来たこと、道の駅でテント泊することを話しました。

 

りゅうさんは旅人を家に泊めたりもしていたそうですが、僕たちが18歳だったので苦労しなさいということで、今夜はテントで寝て時間があったら明日の朝家に来るように言われました。

 

その晩寝る準備をしていたら道の駅にりゅうさん夫妻が来て、お菓子やカニ飯のおにぎりなどを持ってきてくれました。食パンでカロリーを摂取していた貧乏旅の僕たちにとって、とてつもなく嬉しい差し入れでした。初めての旅で初めて厚意に触れた僕たちは感動して明日の朝絶対お家に行ってお礼を言おうと話して寝ました。

 

次の日の朝、お家にお邪魔して朝ごはんをごちそうになったり、これからの旅のために補給食を買ってきてくれたり至れり尽くせりでした。中でもとてもためになったのは新潟までの道のりで危ないところや、通るべき道などを教えていただいたことです。お知り合い(りゅうさん曰く子分)の元トラックの運転手の方もいて、下道にとても詳しく、まるで頭の中に地図があるかのように交差点の名前まで教えてくれました。

 

他にもりゅうさんのお孫さんと僕たちが同じ大学の同じ学年だったり、後から家に来た漁師の方が「彼女つれてきたら一匹10万円以上の越前ガニ食べさせたる」と言ってくれたり、色んなお話をしました。

 

一番印象深いお話は「予定は未定にて確定ならず」です。

これは僕たちが新潟で先輩と待ち合わせをしており、それに遅れないように夜中であろうと、親不知という北陸有数の難所を通るつもりと話した時に、りゅうさんが「予定は未定にて確定ならずや」と言いました。一つ二つ年の違う先輩なんて大学生にとっては大きく見えるかもしれないが、大人からすればどちらも大差ない子どもだ。つまり先輩を気にして危険を冒してまで予定通りにしようとせず、予定を遅らせろ。予定は未定にて確定ならず、確定していないのだから今からでも予定を変えなさい。

 

この言葉を聞いて確かに先輩と言えど大して年の違わない大学生なのだから必要以上に気を遣わず、友達ぐらいのスタンスでいっても良いと思えて予定をずらしました。

 

少し視野が広がった瞬間でした。

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 今日の話はこれで。